こんにちは、マルムスです。
この記事では、初心者の方向けに、
ローリスク投資の代表である立会外分売について基本から分かりやすく解説します。
なお、この記事では立会外分売における空売りについては触れません。
立会外分売とは?
そもそも立会外分売とは何でしょうか?
例によって、ここでは実践的な内容に絞りたいので、
厳密な仕組みを知りたい方は、山ほどある紹介サイトを見ていただければよいのですが、
簡単に言うと、とある銘柄の株を大量に持っている人が、その株を売りたい場合に、
市場価格よりも安く投資家に提供することです。
なぜ普通に市場で売らないのか?
売りたい株数が、その銘柄の1日の出来高の何倍もある場合が多く、
株価に多大な影響を及ぼしてしまうからですね。
また、幅広い投資家に分配することで、流動性を高める狙いもあります。
立会外分売に参加することで、株を大量に持っている人から、
市場価格よりも安く、その株を買うことができるのです。
なぜローリスクなのか?
この立会外分売は、なぜローリスクなのでしょうか。
1つは、単純に「市場価格よりも安く、その株を買うことができる」からです。
その価格のことを分売価格とここでは言いますが、
分売価格は、立会外分売実施の前日の終値ベースで決まります。
例えば、立会外分売実施の前日の終値が1000円で、分売の割引率が3%であれば、
970円でその株を買うことができます。
単純に、その差分がお得だという話です。
でも、疑問に思いませんか?
立会外分売を実施することが発表されたら、安く提供する人がいるのだから、
株価は下がるのではないかと。
その通りです。
ここに、2つ目のポイントがあります。
株を安い価格でばら撒く人がいたら、株価は下がりそうですよね。
実際に、そこに目をつけて、立会外分売の実施発表後に空売りを仕込む人がいます。
空売りとは、借りた株を売り、株を買い戻して返済する手法のことで、
簡単には株価が下がるほど利益になる手法です。
(後日解説予定)
この空売りをする人がいるからこそ、買いと売りのバランスが保たれ、
分売実施日にも株価は大きく下がることなく、分売で利益を見込めるのです。
ただ、これは勿論、空売りができる銘柄(貸借銘柄)の話であり、
中には空売りができない銘柄(信用銘柄)もあります。
後ほど解説しますが、先ほどの理由から、立会外分売に参加する際は、
空売りができる銘柄(貸借銘柄)を選ぶことが重要です。
立会外分売で利益を得るまでの流れ
ここからは実践編です。
実際に立会外分売で利益を得るまでの流れを見ていきましょう。
①証券会社の開設
まずは、もちろん証券会社の口座を持っていないと話になりません。
また、立会外分売は分売株数が決まっていますから、
応募者が多い場合は抽選になります。
そのため、「初心者講座① IPO投資」でも紹介したように、
立会外分売の抽選に当選しやすい証券会社を開設しておく必要があります。
立会外分売にオススメの証券会社は、後ほど紹介します。
②立会外分売実施の発表を確認
立会外分売は毎日行われるわけではありません。
だいたい、実施の5~7営業日前くらいに発表されることが多いです。
そのため、実施発表がないかチェックが必要です。
オススメは、こちらのサイト。
分売実施発表だけでなく、分売枚数や株式情報、参加評価などもまとめられています。
先ほど説明した、貸借銘柄と信用銘柄のどちらかについても記載があります。
参加評価なども読みながら、実際に申し込みをするか決めましょう。
③立会外分売への申し込み
参加することを決めたら、申し込みをしましょう。
基本的に立会外分売は、実施日の8時過ぎまで申し込みが可能です。
証券会社にもよりますので、そこは確認しましょう。
なので、資金拘束の面でも、当日の朝に申し込むのがベストです。
④抽選結果の確認
申し込みをしたら、抽選の結果、配分が得られたかを確認しましょう。
抽選結果がメールで届く証券会社もありますし、
注文状況を自分で確認しないといけない証券会社もあります。
抽選結果は、大体の証券会社が8時50分過ぎほどには発表されます。
例えば、以下は楽天証券の結果ですが、
立会外分売の注文紹介のページで、状況が「出来ず」になっています。
これは、落選した例です。

当選していれば、状況が「約定」になっており、
また保有銘柄に該当銘柄が追加されているはずです。
そのようになれば、売り注文も出すことができます。
⑤売却
めでたく当選したら、売却を考えます。
ローリスクの考え方で行くなら、できるだけ早く手放すのが良いかと思います。
長く保有していると、不確定要素が増えていきますから。
まずは、自身のバイアスをできるだけかけないように、
毎回、成行で当日始値で売るように統一するのが良いかもしれません。
また、空売りを使って、割引率のサヤを抜くという手法もあります。
こちらは応用編として、最後におまけで紹介します。
立会外分売にオススメの証券会社
さて、立会外分売のやり方が分かったところで、ウズウズしている方も多いでしょう。
そんな方向けに、立会外分売のオススメの証券会社を紹介します。
①松井証券
松井証券は、ここ最近の立会外分売の当選率No.1です。
売却手数料も50万円までは無料。
この証券会社無くして、立会外分売をやっているとは言えません。
立会外分売には必須の証券会社です。
申し込みは、実施日の8時半まで可能です。

②楽天証券
楽天証券は、ここ最近No.2の当選率です。
売却手数料は完全無料。
申し込みは、実施日の8時20分まで可能です。

③マネックス証券
マネックス証券も、当選率高めの証券会社です。
申し込みは、実施日の8時20分まで可能です。

④SBI証券
SBI証券は、申し込み数に比例して当選確率が上昇する傾向にあります。
申し込みは、実施日の8時20分まで可能です。

⑤SBIネオトレード証券
SBIネオトレード証券も、時々当選します。
申し込みは、実施日の8時30分まで可能です。

⑥岡三オンライン
岡三オンラインも、時々当選します。
申し込みは、実施日の8時までと少し早くなっています。

最後に
いかがでしたでしょうか?
立会外分売はローリスクですし、
相場に張り付く必要もないので、社会人の方も続けやすいと思います。
1案件の利益は数千円レベルではありますが、コツコツと利益を積み重ねていきましょう。
【応用編】空売りを使ったサヤ抜き
最後におまけとして、空売りを使ったサヤ抜きを紹介します。
最初に空売りについては触れないって言っただろ!
そうなのですが、この手法は空売り単体で利益を出すものではありません。
また、分売実施日に分売価格を割れてしまうことによる損失を回避できるため、
ローリスクな手法でもあるのです。
具体的にどういう手法かと言うと、
分売実施前日の引けで空売りをしておき、
分売実施日に分売の配分と空売りを同時に処分する手法になります。
こうすることで、分売の割引率分(サヤ)を確実に得られることになります。
分売実施日に株価が暴落しても暴騰しても、割引率分の利益が手元に残ります。
お気づきの方も居られると思いますが、1つ問題があります。
それは、配分は抽選なので、何枚配分が得られるか分からないということ。
すなわち、どれくらい空売りをしたら良いかが分からないということです。
これについては、分売には全体の分売枚数が決まっていますから、
分売参加の経験を積むことで、何枚配分が貰えそうな案件か見積もれるようになります。
基本的に分売はローリスクですから、
貰えそうな配分よりも少し少なめに空売りを入れるのが良いでしょう。
立会外分売に慣れてきたら、試してみてはいかがでしょうか。
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